近況報告
2月15日
つかの間の 春を楽しむ 日ざしあり
梅の香りも 風に運ばれ
暖かな日差しの差し込む工房で日がな一日やっていたことといえば買ったばかりの新品の袴を解体すること。
袴といっても正式な場所で使用されるようなものではなくどちらかといえば武道家がはいているような細身のものである。
自分で仕立ててみたかったのだが実物を見た事が無い、型紙なども無い。参考資料も無い。
そこで新品をばらして型紙を作ることにしたのである。
袴の右側だけを細かくスケッチとメモを取りながらほどいてゆく。そしてただの布切れになったものにアイロンをかけ古新聞の上においてなぞって、新聞紙で型紙作り。
半分解体された袴とアイロンがけをした「布切れ」。
もちろんこれも元の袴に仕立て直すつもりだが多少の、いや、かなりの不安もある。
何とか出来た「型紙」を一宮で買ってきてあった生地の上に乗せてみる。
ちなみにこの生地は1.4m×3.6mで880円という安いものであるがデニムの様な生地でしっかりしたものである。
この後はさみで切り取って仕立てるところまでこぎつけたが果たして頭に描いているような「作務衣の延長線上」にあるような形の袴が出来るだろうか?
最悪の場合はばらした袴ともどもくずかご行きになる可能性も無いではない。
しかしあくまでも遊びである。
ドライブやリッチな食事やパチンコなどの遊びに比べれば多分はるかに安くしかも長い時間楽しめることは間違いない。
泊り込みの夜は囲炉裏に火が入る。
鉄瓶のお湯がかすかに「シュンシュン」と音を立てて沸いてそれを急須に入れてお茶を飲む。
間違いなく幸せな時間が流れていることを私は知っている。
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